8/9,10 聖書研究・祈祷会

《今日のポイント》 

聖書・奨励「カインの罪」(創世記4章1~12節)

献げ物をめぐる不信と嫉妬が殺人へ

 アダムとエバの2人の子どもたちは成長し、兄カインは農業を営む人、弟アベルは牧羊を営む人となります。アベルの名前は、へベル(息)に由来しています。カインとアベルは、それぞれ作物の初物と羊の初子を神さまに献げ、神さまは、アベルの献げ物へと目を留められました。神さまの選びに対し、不条理ではないかとカインは納得がいきません。次第に、神さまとの関係性が崩れ始めます。

お前はそれを支配せねばならない

 神さまは、「どうして怒るのか。どうして顔を伏せるのか。もしお前が正しい“献げ物を献げたのなら”(補足4:6)、そのような事態を招くことはなかったのではないか」。続けて、神さまはカインに向けて「お前はそれを支配せねばならない(ティムシェル・動詞)」(4:7)と語りかけられます。「お前はそれを支配できるといってよい」とも訳せる言葉。「それ」が“罪”だとすれば、カインは罪を支配できるという意味に解釈できます。神さまは、カインが罪に支配されず、殺人を犯すことのない道を選択できるのだと待しておられたのではないでしょうか。

「弟はどこにいるのか」

 神さまは「お前の弟アベルは、どこにいるのか」(4:9)と問いかけられ、カインは「知りません。わたしは弟の番人でしょうか」(4:9)と答えます。続けて神さまは、「何ということをしたのか」(4:10)と、カインをとがめられます。アベルの血(複数形)は叫びます。アベルとアベルに与えられるはずの子孫の命が、カインの罪を告発しています。カインは、最も身近な存在の命を奪った自分の行為に、耐え切れない思いに駆られます(4:13参照)。「いのちは宝」。一度奪われてしまえば、二度と帰り来ぬ命。神さまが与えてくださった尊い命という視点を忘れてはならないと思わされます。

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