10/29(日) 週報巻頭言
2023/10/30
『今、もう一度塩狩峠を読みたい』 No.219
「一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在らん、もし死なば、多くの果を結ぶべし。」(ヨハネ伝 第12章24節)
キリスト教文学の講義が始まって4回が経ちました。三浦綾子著「塩狩峠」を読み、改めて思わされていること。これは、キリストへの信仰告白だということです。
三浦さんご自身が、ある本の中で「これは私が自分の小説『塩狩峠』にも書いたことだが、イエス・キリストの教えをただ一つでも実行してみることをお勧めする。あるいは、イエス・キリストのなさったことの一つでもまねてみることをおすすめする。」(「一日の苦労は、その日だけで十分です」)
小説の主人公は、永野信夫。北海道の鉄道員です。実在の人物、長野政雄氏をモデルとしながら、三浦さんの半生が投影されています。塩狩峠には印象的に聖書の御言葉が引用されています。主人公の死を象徴するような“一粒の麦”は勿論のこと、「神は愛なり」が幾度も登場します。神様が一人の人を救われるばかりか、その人を通じて、多くの人の命を助け、救われたという事実に圧倒されます。
神の愛を知りたければ、塩狩峠をお読みになることをお勧めいたします。
今週も主の恵みの日々でありますように。