2/27 週報巻頭言より

『ウクライナ、そして、ロシアを思う』 No.135

「権威者は神に仕える者であり、そのことに励んでいるのです。」(ローマの信徒への手紙13章6節)

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まりました。「ウクライナが兄弟の国であり、その自治と安全を守るために」という大義名分を掲げて、ウクライナ全土への侵攻を開始してしまいました。NATO(北大西洋条約機構)の軍事的な包囲網や、先進国との交渉・経済制裁という押さえつけをはねのける形の暴挙に、世界は恐れを感じています。

 私は、2000年代の初頭、ロシア・バプテスト連盟のハバロフスクとウラジオストックの教会を訪問し、兄弟姉妹との親しい交わりを持った経験があります。強圧・強行の印象の強い国家としてのロシアとは、全く異なる庶民的で人情に厚いロシアの人々とのギャップに戸惑いと驚きを感じたのを覚えています。 ロシアにはトルストイとドストエフスキーと言う文学の巨匠がいます。トルストイの「戦争と平和」という大作があり、ナポレオン戦争期のフランスと帝政ロシアの戦争とロシア貴族の没落する様が描かれておりました。戦争は、突如起こるようで決してそうではありません。平和な時に密かにその火種が起こり、野火のように広がっていくものです。平和時の草の根のつながり、国対国ではなく、人対人の交流が何よりも大事です。 

 心を込めて戦争の停止、平和の実現を祈りましょう。

-週報巻頭言, 牧師のお話