1/16 週報巻頭言より

『混沌を生き抜くために』        No.129

イエスはお答えになった。「『人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる』と書いてある。」(マタイ4:4、申命記8:3)

 「ヘッセからの手紙・混沌を生き抜くために」(ヘルマン・ヘッセ研究会編・訳、毎日新聞社刊行)という本があります。タイトルにひかれて久しぶりに紐解いてみました。「私は今人生のある段階に、精神的に戦っている人々が象徴的に「荒野での40日間」と名付ける段階にありますが、私の場合の荒野はすでに3年も続き、まだその出口が見つからないのです」。自らを詩人と位置付け、芸術家特有の気質を持つヘッセは、夫人との夫婦関係の危機と、戦争の時代に突入していくヨーロッパの空気の中で、ある種の精神的な危機状態を迎えていました。「困難な状況の中でどういう具体的な解決策が可能になるか、私にはまだわかりません」と記すヘッセ。

 私たちも、迫りくるコロナ感染第6波の中、2年におよぶ混沌とした時間を過ごしています。私個人も様々押し寄せる出来事の中、ただ一つの事柄、神の言葉に希望を置いています。東山教会、中部連合、連盟、そして私たちの歩みも、御言葉により活きる糧を頂き、導かれ押し出され、一歩一歩確かに歩んでいきたいと願います。

-週報巻頭言, 牧師のお話