3/14 週報巻頭言より

『死者の声を聞くこと』         No.87

役人は、「主よ、子供が死なないうちに、おいでください」と言った。イエスは言われた。「帰りなさい。あなたの息子は生きる。」その人は、イエスの言われた言葉を信じて帰って行った。(ヨハネによる福音書4:49,50)

 東日本大震災・福島第一原発事故から10年。先週の3月11日に私はカトリック布池教会で行われた「犠牲者追悼・復興祈願の日」のミサに出席してきました。今回は超教派、超宗教の形式ではなく、純然たるカトリックのミサ形式のものであり、戸惑いつつも新鮮な思いで参加いたしました。

 松浦司教(中部教区)のメッセージの中で、「死者の声を聞く」というお話が心に残りました。津波・地震の被災された方々の内、未だにご遺体が見つからない方々が2526名、故郷に帰宅できず避難生活をしている方々が41781名いらっしゃることを覚えました。死者の声を聞くというのは、東北のイタコ(霊媒師)を通じて死者の声を聞くということではなく、亡くなった方々から生存者・ご家族へのメッセージを聞き取る、「生かされている命を大切に生きてほしい」という励ましの言葉を受け止めて生きるという意味です。復興と言っても、被災者の心は建物のように簡単に再建は出来ません。悲しむ人、苦しみを抱える人の心と先に召された人の願いを思い浮かべ、神様の「生きよ!」との声に聞き従っていくことが、私たちにとっての復興ではないかとの思いが与えられたミサです。主に感謝!

-お知らせ